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□■□■□ 【七緒のスチャラカ★介護日記】
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□■□■□──────────────── 2005.02.19 ── Vol.0061 ──

       左半身マヒとなった父ヨシオ。母ヤスコと長女・七緒が自宅での
       介護を決意した!お気楽3人家族の、手探り介護マガジンです。
──CONTENTS──────────────────────────────
       ●スチャラカ日記 『父が元気になると』
       ●今日の母ヤスコ
       ●編集後記
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□■□…… スチャラカ日記 『父が元気になると』 2月19日 ……□■□

 まったく、父は元気だ。去年に引き続き、今年も風邪なんか全然引かずに、ピ
ンピンしている。

 父ヨシオが倒れてから、今年で5年目を迎えた介護生活。年々歳を重ねて、大
変になることはあっても、楽になることなどあり得ないと思っていた。
 ところが!あったんだね〜、これが。

 父が倒れる前から、母ヤスコはあちこち飛び回っていて、家にじっとしている
ことなど滅多にないアクティブな人だった。私は今は家で仕事をしているけれど、
仕事の無いときまで家でじーっとしてなんかいない。父自身もそうだけど、お出
かけ好き遊び好きファミリーだった。

 それが5年前に、父の介護生活に突入してから、そう簡単に家を空けることな
ど出来なくなってしまった。やはりトイレの心配、食事の心配他もろもろあり、
誰かが家で父と留守番せざるを得ないわけだ。週に一度、父がデイサービスに出
かける日が、唯一の心と身体の休息日。

 もちろん父自身は、全く目が離せない重病とか、ひとりじゃ少しも動けない状
態ではないし、頭も比較的(?)はっきりしているので、24時間気が抜けない
真剣勝負なヘビー級介護生活、とは言えないと思う。それでもやっぱり「お父さ
んがいるから家を空けられない…」という気持ちが、いつでも母と私の心にある。

 それがだんだん変わってきたのは、去年の春頃だっただろうか。
 お陰様で私の仕事が順調で、デザインの作業自体は家でやるにしても、取引先
の会社で打ち合わせをしたり、時には出向して作業をする必要も出てきた。
 「お母さん、私、明日の午後打ち合わせに、行くことになったの」
 「あらそう。お母さんも用事あるけど、お父さんは大丈夫でしょ。2〜3時間
ひとりで留守番してもらっても…」
 
 そうして、飲み物などを用意し、「悪いけどちょっと出かけるから、ひとりで
お留守番お願いね。トイレ気を付けてね。誰か来ても出なくていいし、電話も留
守電になってるから、気にしないでいいよ。5時頃には帰るからね」と、こんこ
んと言い聞かせて出かける。父ヨシオは内心つまらないにしても「おう、大丈夫
だ。行っといで」と、送り出してくれるのだった。

 用事を済まし飛んで帰ると、大抵父はテレビを付けっぱなしで、車椅子に座っ
たままでグーグー夢の中。
 「お父さん、ただいま〜。ひとりで留守番させてごめんね。大丈夫だった?」
と声を掛ければ、寝ぼけ眼の父ヨシオは、
 「ん??なんだ?七緒、出かけてたのか」だと。
 ガクッ!居ても居なくても全然気にしてないのね。心配して損した…。

 そんなことが重なると、だんだんとこちらも図々しくなってくる。始めは遠慮
がちに、心配しつつ留守にしていたのが、
 「あ〜、お父さんなら大丈夫でしょ。ど〜せ居眠りしてるんだから」と、身も
蓋も無い扱いになってくる。

 実際、今のところ何もトラブルが無かったから良いようなものの、よくよく考
えればもちろん危険はいっぱいだ。ひとりでトイレに歩いて行って転ぶとか、
お茶をひっくり返して火傷するとか、はたまた運悪く心筋梗塞や脳梗塞に襲われ
るとか…。

 心配すればキリが無いけど、父がなんとか現状の体力をキープしてくれて、
風邪ひとつ引かないお陰で、私も母も少しは外に出られるようになってきたんだ。
 それを感謝しなくてはいけない。嗚呼それなのに、それなのに…。

 私事で恐縮ですが、新しい仕事やらなにやらで外に出るようになると、新しい
人間関係も増えた。バリバリ仕事をこなす働き盛りの男性を目の当たりにしたり、
デートに誘ってくれる男性もできたりすると、家でずっとテレビを見たり、うた
た寝しかしていない我が父を見るのが、非常に辛くなってきたのであーる!

 父が元気なお陰で外に出られるのに、そのせいで家にいる父を疎ましく感じて
しまうとは…。なんたる非情な娘よ!と、自分でも思う。

 疎ましいとは、ちょっと言葉がキツイかもね。
 詳しく言えば「うちの父は病気とはいえまだ66歳の若さだ。リハビリのお陰
で寝たきりにならずに済んでいるし、頭もちゃんとしている。
 色々やりたいことだってあるのなら諦めずに、もっともっとやってみればいい
のに!そういう為ならこっちもちゃんとフォローするし、グーグー居眠りばかり
してないで、もっと建設的に前向きに人生を楽しめばいいのに…。
どうしてそれをしないの!?」という気持ちなのだ。

 もちろん、若い人と現役引退した父を比べるのは酷だし、実際父だって若い頃
はバリバリやっていたことでしょう。だからって、今の父を『病人&年寄り扱い』
ですべて片づけるのは、なんともやりきれない気持ちなんだよね。

 何かにつけそれを父ヨシオにぶつけてみる。あそこへ行ってみようか、こっち
も面白いらしいよと、誘ってもみる。それを「わからん」「面倒だ」「寒いから
イヤだ」「暑いからイヤだ」と拒否ばかりで、挙げ句の果てに、
「うるさい!俺はもう終わりだ。余計なお世話だ!放っておけ」になってしまう。
もしも〜し?もう終わりと言いながら、もう5年になるんですけどね。いつ本当
に終わるんですかね?
 
 冗談はともかく、父が元気なお陰で私たちは楽になり、外にも出られる。逆に
父はひとりで置いて行かれる結果になり、さぞや不満に思っていることでしょう。
最大の努力をして良い状態をキープし、そのために今度は別の不満が生まれると
は。それはお互いの甘えかもしれないし、今うまく行ってるからこそそんな悠長
なケンカもできるのかもしれないんだけどね。

 かと言って「お父さんが元気でいてくれて、本当に良かった。家が好きなら私
もずっと家にいて、つきっきりでお世話してあげるわ〜」なんてしおらしいこと、
思えるわけないじゃん!?終わりのない介護生活なのに。
 こっちもまだ若いんだし、せっかくのデートのお誘いを断って、このまましわ
くちゃのオババになれとは、まさか誰も言わないわよね!?

 風邪のひとつも引けば、それ医者だ薬だとかまって貰えるし、ちやほやされて
少し見当違いな嬉しさすら感じるのかも知れないね。私も母も家に釘付けになる
けど、それはそれで仕方ないと諦めるしかないよ、本当に父の具合が悪いなら。
その時に本当に必要とされるなら、恋も仕事も遊びもひとまず脇に置いて、
ちゃんとやるべきことをしますよ、ワタシャね。それが家族でしょ。

 わかっちゃいるけど、なんとなくモヤモヤでLIFE GOES ON。
 さ〜て、困ったなあ。こんな調子で、一体いつまで続くのかなあ。

 そんなことを考えていた矢先、とうとう母ヤスコが言い出した。
「お父さんに、もう1〜2日、デイサービスに行って貰うわ!!」

 それは以前から考えていたけれど、父は週1日だってイヤイヤだったし、
「俺は家が一番いいんだ。外なんか行きたくない!」と、ずっと突っぱねていた
のだ。ところが最近、少し態度が軟化したみたい。今までは頑として聞き耳持た
なかったのだが、調整にきてくれたケアマネにも「それでヤスコが少し楽になる
なら…」と、殊勝なことを言ってくれたのだった。

 幸いなことに、家の近くにAという新しいデイサービスセンターができて、早
速そこへ3人で見学に行ってみたら、なかなか良さそうな感じ。そこはリハビリ
に力を入れていて、積極的に運動や体操も取り入れているのだった。それならリ
ハビリ嫌いな父も、やる気になるかもしれない。一石二鳥じゃん!!かくして
1週間の内、今までのR園に1日、新しいAに1日行ってみることになった。

 これで父が気に入ってくれれば、一日中家で居眠りしてるよりはよっぽどいい。
栄養管理された美味しいものを食べて、お風呂に入り、カラオケでも麻雀でも
やって、リハビリまでさせて貰って、口うるさい娘よりも若くてカワイイ介護士
さんに話を聞いて貰えれば、もう最高じゃん!!と、思うのだ。

 そして週に3日でも4日でも行ってくれれば、母ヤスコも私も大助かり。いつ
も一緒に居て顔を突き合わせているのでは、お互い参ってしまう。色んな考え方
もあるだろうけど、たまには距離を置くのもひとつの手なのかも。

 父が元気なゆえに招かれたヨシオファミリーの倦怠期は、これでなんとか乗り
切れそうかな…と、期待している今日この頃です。
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■□■…………………………… 今日の母ヤスコ …………………………■□■
 
 お出かけ前の母ヤスコ。鏡の前であれこれやっている。
「なんかこれ、おかしくない?」「おかしくないけど、下に黒よりも赤っぽい服
を合わせた方がいいんじゃない?」
「あ!待って!一昨年買って、まだ着てないのがあるわよ〜」と、タンスを
引っかき回している。
「…あのさ、どうしてせっかく買ったのに、2年も着ないで仕舞っておくの?」
「だって、もったいないじゃない!」
買ったのを着ないで仕舞っておく方が、よっぽどもったいないと思うが。年月が
経つと増えるとでも言うならともかく。着ない内に虫に喰われて、穴でも開いた
らシャレになんないよ、ヤスコさん!
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■□■…………………………… 編 集 後 記 …………………………■□■

 あ〜あ、今頃『明けましておめでとう』になってしまいました。皆様、お元気
ですか?ヨシオファミリーは、元気ハツラツです!とりわけ元気なのが、ワタク
シ七緒なのでございます。細木占いによると、今年は大殺界を抜け出し、大活躍
の年なんだって。都合の良い事しか信じない私は、もう大コーフンです。さらに
張り切って行きまっせ〜〜!!

●今日の格言 『細かいこと気にしない!私がいなくても地球は回るからね』
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