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□■□■□ 【七緒のスチャラカ★介護日記】
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□■□■□──────────────── 2003.09.23 ── Vol.0055 ──

       左半身マヒとなった父ヨシオ。母ヤスコと長女・七緒が自宅での
       介護を決意した!お気楽3人家族の、手探り介護マガジンです。
──CONTENTS──────────────────────────────
       ●スチャラカ日記 『風邪と湿疹』
       ●今日の母ヤスコ
       ●前回の『陰湿なケンカ』ご報告
       ●編集後記
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□■□……… スチャラカ日記 『風邪と湿疹』 9月20日 …………□■□

 残暑が厳しく、気温30度を超える日が続く中、父ヨシオが風邪を引いた。

 「あれ?なんだか変な咳をしてるよ」と思う間もなく、喉もガラガラになり、
別人のような低い声になってしまった。
「ねえ、お父さん、もしかして風邪じゃない?」と言うと、
母ヤスコは明るく「あら、そ〜お?」と笑っている。

 どうなのよ?と、当の本人に詰め寄ると「う〜ん、風邪かもな…」
なんだかなあ。自分でもわかんないんじゃ、しょうがないぜ。一応、熱を計って
みても、平熱のようだ。そうして普通に過ごしている内、くしゃみを連発するよ
うになり、風邪は決定的に。

 どうしようか?う〜ん、熱は無いし、食欲もあるし。とりあえず市販の薬で様
子見てみようか…と、2〜3日経ったある日。私が外出から戻ると、父はティッ
シュボックスと、鼻をかんだ後のティッシュを入れる為の、母ヤスコお手製ボッ
クスを抱え、グシュグシュやっている。
 「あらら〜、とうとう本格的だね」「おお、やられたよ」と言いながら父は、
機嫌は悪くないようで、普通に夕食も食べていた。

 翌日は、朝からリハビリ病院に行き、1時間のリハビリと、定期的な医師の診
察も受ける予定だった。
 「じゃあ明日、先生に診て貰う時に、ついでに風邪薬も出して貰おうか」と、
母と相談。そうすれば面倒が無いし。
 早めに休んだ父ヨシオの寝室をのぞくと、高いびきでガーガー寝ている。
「まったく、お腹出して寝てたから、風邪引いたんじゃないの?」「そうねえ。
この暑さで、汗が冷えたのかもね」勝手なことを言い合う母と娘。

 そして翌朝。父ヨシオの機嫌は、すこぶる悪い。

 父はパンが大好きで、朝はパン食がお気に入りなのだが、この朝はご飯に味噌
汁だった。そのせいかどうか、テーブルに座ったきり、食べようとしない。
 「早く食べようよ。今日は診察もあるんだから、早く食べて支度しないと、間
に合わなくなるよ」「もしかして食欲無いの?」
 その時点では、特にくしゃみも咳も熱も無い。けれど、ブスッとしたまま、何
を言っても無反応な父ヨシオ。

「ねえ、具合悪いのなら、そう言わないとわかんないよ、こっちは!」
「………。」父、相変わらず無言。
「あ、わかった!リハビリしたくないんだ、きっと。だから具合の悪いような振
りをして、さぼろうとしてるんでしょ?」意地悪く挑発してみるも、反応無し。
 
 その内に、まぶたが下がってきて、座ったまま意識が遠くに行っちゃってるよ
うだ。眠いのかだるいのか、意識がもうろうとしているのか?
 「ちょっと、お父さん!寝ないでよ!!どうなの、本当に具合悪いの?」
大きい声を出すと、目を開けるものの、無反応。そしてすぐまた、まぶたが…。

 「あ〜あ、ダメだこりゃ。この調子じゃ、病院に連れて行ったって、リハビリ
なんかできないよ、きっと。またケンカになるだけだよ」
「う〜ん、そうねえ〜。でも、お母さん、今日はどうしても出掛けるわよ!」

 そうなのだ。母ヤスコは、ここ数年恒例の小学校同窓会の幹事を引き受け、
今日はリハビリ病院の後、同じ幹事の友人とその宴会場の下見(兼昼食)に行く
のを、楽しみにしていたのだ。

 『大抵の父ヨシオの不機嫌は、母ヤスコの不在が原因』という掟を、私は最近
学習したので、今回はそれもあるんだろうな…と、さっきから気付いていた。
 しかし、母の口からは「じゃあ、今日は約束をキャンセルして、お父さんを看
病するわ」という言葉は、金輪際出ないことが判明した。

 あ〜、やだなあ〜。この仏頂面の父ヨシオとお留守番かよ!?

 ついてねえぜ!でも、母には今日の約束に行かせてあげたいし、父の不機嫌も
体調不良から来るものだから、怒ったところでしょうがない。
 結局、母が約束の前にリハビリ病院に寄って、薬だけ貰ってくることになった。
父にはなんとか少しご飯を食べさせ、風邪薬を飲ませて寝かせる。

 仕方ないので、昼前にベーカリーへ行き、父ヨシオの好む菓子パンや調理パン
を買う。「食欲無ければ、残してね」と出したが、父はペロッと平らげた。

 その内に母がバタバタと帰ってきて、「お父さん、どう?大丈夫??」
「あ〜、もう、ノープロブレムよ!お昼のパンはバクバク食べるし、絶好調!」
父はニコニコして相撲なんか見ている。チキショー!今回はしてやられたか?

 それから2〜3日、まだ暑い日は続いていた。
 父の風邪はまだなんとなく居座り、ぐずぐずしているが、今度は湿疹にも悩ま
されている。
 冬場は肌が乾燥して痒くなり、入浴剤を入れたりかゆみ止めを肌に塗ったり、
終いにはかゆみ止めの飲み薬まで処方される始末。さすがに夏場はいくらか良く
なっていたのだが、今はポツポツと赤い湿疹が、胸や腕にできている。

 母ヤスコは父のお腹をペロッとめくり、「ねえ、これどう思う?」と私に訊く。
「う〜ん、あせもじゃないの?」「でも、すごく赤くてプチプチしてるし、どん
どん拡がってる感じよ」「さあね、ちゃんと病院で診て貰えば?」
 「どうするお父さん?病院連れて行こうか?」と、母。父ヨシオはものすごく
嬉しそうに頷いた。
 「どう、この態度?リハビリ病院はさぼるくせに、お母さんと行く病院は、行
く気まんまんだね」私が嫌みを言っても、まだニコニコ顔の父。

 それが火曜日。水曜日はデイサービスで、木曜日は七緒が習い事で車を使うの
で、金曜日に病院へ行こうと、決まった。
 
 水曜日のデイサービスでは、いつもお風呂に入れて貰う。一応、胸の湿疹のこ
とは、「多分あせもだと思うが、医者に見せる予定なので、ご心配なく」とス
タッフに伝えておいた。その日の夕方、施設から電話があったらしい。

 「ちょっとちょっと、大変よ!お父さん、帯状疱疹だって!!」と、母が大騒
ぎ。デイサービスの看護士さんが、『帯状疱疹のようだから、早く医者に見せた
方がいい』と電話で忠告してくれたらしいのだ。

 母ヤスコはすっかりエキサイト。「帯状ヘルペスだって!まあ〜!」と、父の
胸をめくってみたり、湿疹をつついてみたりしている。
「まあまあ、落ち着いて。そんな素人判断で、大騒ぎしない方がいいよ」
「だって、看護婦さんが言うのよ!?素人じゃないわよ!」

 看護婦さんったって、デイサービスについている『看護士の資格を持っている
スタッフのひとり』だろ?病院の皮膚科で現役の看護士さんならともかく。

 しかし今の母ヤスコに、何を言っても聞きはしない。
「ねえ、お父さんは、すごい病気かもしれないって思い込んで、余計具合が悪く
なるタイプなんだから、もう騒ぐの止めなよ」
 すっかりブルーになった父ヨシオは、萎れて小さくなっている。

 予定変更。翌日の木曜日、七緒の習い事の前に、車で病院へ送って行く。
帰りは悪いけど、タクシーで帰ってきて貰うことに。もちろんタクシー代は、七
緒持ち。父の車を貸して貰っているんだから、当然なのだ。

 習い事が終わり、夕方家に帰ると、両親はヘラヘラ笑っている。
「どうだったのよ?」「ん〜?ふふふふ。『汗による湿疹』だって」
「はあ〜?なにそれ、つまり…『あせも』?」「うふふふ。そういうことね」

 か〜〜〜っ!バカバカしい!だから素人判断で大騒ぎすんなって、あたしゃ
言ったのよ!!

 皮膚科の医師は、ちらっと診ただけで『汗による湿疹』と即断。塗り薬を処方
し、ハイお終い。
 「あの、帯状疱疹じゃないかって、知り合いに言われたんですけど?」と母が
食い下がるも、「違います」と、にべもなかったらしい。

 ま、この騒ぎで父の風邪もすっかり何処かへ飛んだし、処方された塗り薬のお
陰でかゆいとも言わなくなったし、結果的にはめでたしめでたし!?
 あちこちの病院へ、行く行かないで振り回された数日間であった。結局のとこ
ろ、私がタクシー代1,600円を損しただけってことか。ちぇ!
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■□■…………………………… 今日の母ヤスコ …………………………■□■
 
 お彼岸で、父方の親戚がヨシオ家に集まった。皆が帰った途端、「あんな感じ
のアンサンブル、あったはずよ。どこにしまったかしら?」と、母ヤスコ。
伯母が着ていたニットのアンサンブルを見て、自分のも思い出したらしい。
 「ちょっと七緒、二階の天袋から出すの手伝って!」あ〜、はいはい。やりゃ
いいんでしょ。脚立に乗り、重い衣装ケースを、どっこらしょと降ろす。
 「あら、こんなのもあったわ。忘れてた!」「あら、これも今着るのに、丁度
いいじゃない!」と、ひとしきり発掘作業に没頭している。
 ふと視線を感じたのか、私に向かって「まだ着られるの、沢山あるわね。もう
買わないわ〜」と、照れ笑い。でも、私は知っている。4〜5日もすれば、今の
殊勝な言葉をすっかり忘れ去り、「やっぱり今の流行と違う」とか「色がいまい
ち」とかなんとか理由を付け、新しい洋服を買いに行く宣言することを。
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■□■…………………………… 前回のご報告 ……………………………■□■

 前回の陰湿なケンカは、結局、翌日の朝、お互いに普通に接してしまい、なん
とな〜く元通りになってしまいました。私としては、4〜5日はろくに口も聞か
ないくらいの陰湿さを、期待していたのですが。

 怒り続けるのにも、かなりのエネルギーが必要ですからね。そんな無駄な体力
使うよりも、なあなあに流すことを、無意識に選択しちゃったのかも。ちょっと
私らしく無いような気もしますが、ま、そんなこともあるさ。
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■□■…………………………… 編 集 後 記 …………………………■□■

 最近、年輩者とのおつき合いが多いので、「年金・保険・病気」の話ばかりを
聞かされます。それはそれで別にいいんですが、同年輩とわいわい呑み会で、そ
れらの話は皆無。ものすごく嬉しくなり、はしゃぎすぎて顰蹙をかう…。こんな
困った私ですが、友よ、見捨てないで〜〜!

●今日の格言 『二日酔いにならない呑み方を研究中(今更遅いって!)』
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