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□■□■□ 【七緒のスチャラカ★介護日記】
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□■□■□──────────────── 2003.04.08 ── Vol.0044 ──

       左半身マヒとなった父ヨシオ。母ヤスコと長女・七緒が自宅での
       介護を決意した!お気楽3人家族の、手探り介護マガジンです。
──CONTENTS──────────────────────────────
       ●スチャラカ日記 『車椅子暴走族』
       ●今日の母ヤスコ
       ●編集後記
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□■□………… スチャラカ日記 『車椅子暴走族』 4月5日 ………□■□

 父ヨシオは現在、2台の車椅子を所有。手こぎの車椅子(愛称ベンツ)と、電
動車椅子(愛称ロールスロイス)だ。

 所有といっても、介護保険の1割負担で、借りているんだけど。父はこのロー
ルスが大層お気に入りなのだ。

 元は手こぎのベンツだけだった。もちろん、父は右手右脚が動くので、日常生
活はこれ1台で、何の問題もない。ただヨシオ家は、坂を下りきった所にあるの
で、ベンツに乗った父を押してその坂を上るのは、不可能。ちょっとその辺まで
散歩に行きたくても、いちいち車で出かけるしかないのだった。

 そんなことを、母ヤスコがこぼしていたら、ケアマネージャーのSさんが、電
動車椅子を勧めてくれた。それじゃあ、ちょっとだけ借りてみて、様子を見よう
か…などと言っていたら、すっかりロールスの虜になってしまった。
 父にしてみれば、よっこらよっこら漕がなくても、手元のレバー操作でスイス
イ動いてくれる電動車椅子は、それは楽に決まってる。
 
 ある晴れた日、早速3人で、ロールスと共にお散歩に出かけた。

 問題の家の前の坂道。傍から見ていると下がってきそうで怖いのだが、さすが
電動だけあって、グイグイ登って行く。「おお〜!すごいすごい!早いねお父さ
ん!!」と、皆大はしゃぎ。父も得意満面だ。

 しかし、家に帰り着く頃には、3人とも疲れて、むっつり険悪ムードになって
いた。

 歩道の無い狭い道路でも、車はバンバン通る。
「お父さん、もっと左に寄らないと轢かれちゃうよ!」
「今度は寄りすぎ!電柱にぶつかりそう」
「もっと右だったら!そっちは左だよ、もう〜」
 あれこれと声を掛けられている内に、父ヨシオはどっちが右だか左だか、わけ
がわからなくなったらしい。不安げなジグザグ運転の上に、恐ろしくゆっくりな
スピードなので、一緒に歩く私達は、ものすごくイライラしてしまった。

 結局、歩道の無い道路は危険なので、父には運転させないで、後ろから私が押
すことにした。せっかくの電動車椅子が、全く意味無し。
 そうこうして、比較的ゆったりした道路に出た。ガードレールに守られた歩道
で、ようやく安心。父母は道ばたの野の花をのぞき込んで見たり、犬や猫をから
かってみたり、嬉しそうだった。
 楽しい時間は束の間、帰り道でまたもやロールスは迷走。父は今でも車の運転
がしたくてしょうがなかったのだが、すっかり自信を無くした模様だ。

 その後、天気が良くて暖かい日には、父母は仲良く散歩へ出かけている。私は
ノロノロ運転に合わせる辛さに、すっかり懲りて、あまり行きたくない。父母も
その度ワーワーと口喧嘩のようになり、帰ってくる頃にはもう二度と行くもんか
状態。そのくせまた「お父さん、今日はいい天気だから、お散歩行こうか?」
 結局、仲良しのふたりだから、それでいいのね。ここはひとつ、夫婦水入らず
で、素敵な時間を過ごして貰うとしましょう。

 散歩以外でロールスが大活躍なのは、デイサービスだ。リフト付きの車で送り
迎えしてくれるので、父ヨシオはご自慢のロールスで出かける。
 電動車椅子ももちろん折り畳めて、普通の自動車のトランクに入る。しかし、
バッテリーのお陰で30キロ近い重さなので、とてもじゃないけど、か弱い私の
力じゃ積み降ろしできないのだ。いや、うんとがんばれば持ち上がるかもしれな
いけど、そんなことで腰を痛めたくないので、普通の外出時には、手こぎのベン
ツをお供させている。

 父はデイサービスでお世話になっているR園で、かなりブイブイ言わせている
らしい。家と違って施設内は広いし、危険が無いので、ロールスで爆走したくな
るらしいのだ。自分自身が危険と化してどうする!?
「お父さん、他のお年寄りに危ないから、そんなスピード出しちゃダメだよ」と
諭すが、「うるさい!俺は車椅子暴走族と呼ばれているんだ」と、威張る始末。

 確かに、あの派手ハデファッションに、真っ黒いサングラスじゃ、本物の暴走
族より怖いかも。

 多分実際は、自分で言うほど、暴走はしてないと思うけどね。どうせ暴走する
なら、歩く訓練を真剣にやって、自分の脚で暴走して欲しいものです。
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■□■…………………………… 今日の母ヤスコ …………………………■□■
 
 「ああ〜、今日の晩のおかず、何にしようかしら〜?」母ヤスコの口癖。
「ねえ、何がいい?」「は?私に訊いてるの?今晩は友達と飲み会なんだけど」
「あら、そう!じゃあ、あるものでいいわね。お買い物に行かなくて済むわ」
 父ヨシオとふたりきりなら、あり合わせのもので間に合わせる。それがいつも
のパターンだが、父は毎回不満爆発。「なんだよ、手を抜いて。美味しいもの、
喰わせてくれよ!」「いつも食べさせているでしょ!今日はいいの!!」
 いつまでもその場にいると「七緒だけ美味いもの食べるのか!?」と、とばっ
ちりを喰うので、すかさず退散。大体、どこの家庭もそんなものですよね?
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■□■…………………………… 編 集 後 記 …………………………■□■

 日曜日、近所へ花見に行きました。天気はいいけど風が強くて、日本一寒がり
の父ヨシオには、我慢のしようもない。仕方なく、車の中から桜を眺めつつ、お
にぎりを食べました。「これでも花見って言う?」と、父。誰のせいだ??

 
●今日の格言 『土曜日には、花見弁当を屋内で。今年はそんな感じです』
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