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□■□■□ 【七緒のスチャラカ★介護日記】
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□■□■□──────────────── 2002.07.09 ── Vol.0026 ──

       左半身マヒとなった父ヨシオ。母ヤスコと長女・七緒が自宅での
       介護を決意した!お気楽3人家族の、手探り介護マガジンです。
──CONTENTS──────────────────────────────
       ●スチャラカ日記 『お出かけは月曜日』
       ●今日の母ヤスコ
       ●編集後記
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■□■…… スチャラカ日記 『お出かけは月曜日』 7月8日 ………■□■

 父ヨシオは、毎週月曜日R園のデイサービスに通っている。

 朝9時、「おはようございま〜す!」の元気な声と共に、スタッフが迎えに来
る。車椅子ごと乗れるリフト付きの車には、おなじみのお年寄り達が勢揃い。
このデイサービスで父は、お風呂に入れて貰い、お昼ご飯を食べ、様々な遊びを
楽しんで、午後4時半には送って貰うのだ。

 父の受ける介護サービスを決める時、ケアマネのSさんは言った。
「お風呂のお世話などは、お家でもできると思います。でも、お家に閉じこもら
ないで出かけて行って、他のお年寄りやスタッフと触れ合うことも、お父さんに
は大切なことではないでしょうか。
 もちろん、R園と合う合わないの相性もありますし、なんと言ってもお父さん
の場合はまだお若いので(当時62歳)、他の高齢なおじいちゃんおばあちゃん
とは、つき合えないと感じられるかもしれません。
 そうした場合には、断られても結構ですし、また別の施設を探すなどの対応も
できますので、まずは一度試しに参加してみませんか」

 初めてデイサービスに参加して、帰ってきた父に「どう?面白かった?」
「面白いわけないだろう!じい様ばあ様ばっかりで」と、にべもない。
「あらそう。じゃあ、やっぱり辞める?断ろうか?」母ヤスコが言うと、
「……。でも、俺が行った方が、お前達が助かるんだろう?」

 そうなのだ。Sさんも母と私にだけ話してくれたが、たとえ1週間に1日でも、
デイサービスという形で父を預かって貰えると、こちらに自由時間ができる。
正直な話、本当に助かる。大切な息抜きの時間。父はそれをわかっていた。

 自宅介護をしていて、何が大変かって、父を置いて家を空けられないこと。
母か私か、どちらかが父と家に残る。父の場合、唯一の心配はトイレなので、そ
れが保つ2時間は、最悪ひとりで家に残して置いても、なんとか大丈夫だ。でも
それ以上になると、父が大丈夫だと言っても、やはり何が起こるかわからない。
 どうしても母と私が出かけなければならない時は、弟や妹に援軍を頼むことも。
今のところ利用したことは無いが、数日に渡る場合は、介護施設のショートステ
イという手もある。

 実は去年、父を10日間ばかりショートステイに預けようとした事があった。
話が長くなるので割愛するが、母ヤスコと私・叔母(母の実妹)と私の親友とい
う、変な4人組でヨーロッパ旅行の計画があったのだ。

 母は当時、きっと介護疲れで『パーッと旅行でも行きたい病』だったんだろう。
「お父さんにつき合ってずっと家にいたんじゃ、こっちが年取って足腰弱って、
遠い海外なんて行けなくなっちゃうわよ!」と、鼻息荒かった。
「そうねえ。まあ、お母さんにも休暇ってことで、お父さんに我慢してショート
ステイに行って貰おうかね」と、父に頼んでみる。

 すると父ヨシオ、男らしく一言。「いいよ。俺はいいから、行っておいで」

 その潔い返事を聞いて、母ヤスコの女心は揺れる。
「やっぱり、10日間も可哀想よねえ?大部屋で、いろんなお年寄りもいるだろ
うし。お父さん、寝られるかしら?」「んじゃ、旅行やめる?」
 そのくせまたつまらないことで、父と喧嘩をしたりすると、
「あ〜!やってらんないわ。パリよ、パリ!行くしかないわ!!」

 そんなこんなで、旅行を申し込んでからも、毎日揺れ動いていた母であったが、
結局パリの地を踏めなかった。アメリカ同時多発テロが起きたからだ。

 心配性な母と叔母は、旅行を断念し、ヤケクソ度胸の私と親友だけが、日本人
観光客が全然いないイタリア3都市とパリを、満喫したのであった。

 自分だけ危険を押して行って来て言うのもなんだが、母には良い決断の材料に
なったと思う。やっぱり母には、父ひとりを置いて、遠いヨーロッパは無理だっ
たろう。心を残したままで旅立っても、楽しめないだろうから。
 そう言う私は心おきなく、しっかり楽しんで来ました。夫婦の愛には、かなわ
ないっちゅーこっちゃね。
 
 「やっぱり、旅行はお父さんも一緒じゃなきゃ。海外行くわよ!だから、リハ
ビリがんばってね!」そう言って母は、父にプレッシャーをかけている。

 さてさてその後、父ヨシオは、すっかりデイサービスの主と化している。
一番ヤングで頭もクリアーなので、重宝がられているらしい。もともと目立ちた
がり屋の仕切り屋だし、フレンドリーな性格だし、スタッフの皆さんもうまくお
だててくれるので、『俺がいなくちゃ始まらない』くらいのイキオイだ。
 ゲームにカラオケ、季節のイベント。エンジョイしまくりです。

 そして父の出かけた後、私と母ヤスコもいそいそとお出かけ。
もちろん家事や、市役所や銀行など事務的な雑務に、追われることもあるけど、
私は母をできるだけ連れ出すようにしている。
 買い物・映画・美術館巡り・友人知人とのおしゃべり…。いつもよりちょっと
お洒落して、外の空気を吸うことが、なによりのリフレッシュだと思うんだ。

 いつまでも続く、変化の乏しい介護生活。それぞれ楽しんだ今日一日を報告し
合う、そんなヨシオファミリーの月曜日なのでした。
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■□■…………………………… 今日の母ヤスコ …………………………■□■

 いつかはやるだろう…と、自分でも思っていたのだが。
 朝、歯を磨いていたら、やけに石鹸のいい香り。洗濯機は動いていない。むむ。
目の前には、歯磨き粉と洗顔料の、同じような白いチューブが並んでいる。
慌てて口を濯ぐが、洗顔料は苦かった。
 母ヤスコは、その逆をやったことがある。歯磨き粉で顔を洗い、なんだかツブ
ツブがあるが、スクラブで毛穴までキレイになると思ったらしい。
 まったくしょうもない母娘だが、今回はどちらかと言うと、七緒の方が間抜け
度が高い気がする…。

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■□■…………………………… 編 集 後 記 …………………………■□■

 世界最高齢(自称)のベッカム・ヘアに挑戦した父ヨシオ。自信満々だったの
だが「ロナウドの大五郎ヘアにすれば良かったのに」と、親戚から突っ込みが。
さすがはこの父の兄弟。あなどれません。
 それにしても、梅雨明けもしてないのに、毎日猛烈な暑さですね。それを言い
訳に、ビールぐびぐびです。そして当然、お腹はたぷたぷ。今年も水着は着れま
せん。っていうか日本の海は入る気しないし〜。っていうか負け惜しみだし〜。
 
●今日の格言 『私の彦星さまは、今いずこ?』
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