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□■□■□ 【七緒のスチャラカ★介護日記】
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□■□■□──────────────── 2002.05.14 ── Vol.0022 ──

       左半身マヒとなった父ヨシオ。母ヤスコと長女・七緒が自宅での
       介護を決意した!お気楽3人家族の、手探り介護マガジンです。
──CONTENTS──────────────────────────────
       ●スチャラカ日記 『天国なリハビリ病院』
       ●今日の母ヤスコ
       ●編集後記
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■□■… スチャラカ日記 『天国なリハビリ病院』 5月13日 ……■□■

 脳梗塞で倒れた父ヨシオが、担ぎ込まれたF市医療センター。その後S総合病
院に転院し、さらにリハビリ専門の病院に転院の話が出たのは、倒れてから1ヶ
月程経った頃だったか。 

 S総合病院でも、歩行などの軽いリハビリは始めていた。早い内にリハビリに
取り組んだ方が、機能回復に良いからだ。『ミニモニ。』に入れるくらい小柄な
リハビリの先生(女性)に、ほとんど担がれるようにして、父は歩く訓練をして
いた。とは言っても、本人の頭もまだぼ〜っとしていたので、あまり訓練をして
いる自覚はなかったかもしれない。

 ソーシャルワーカーのMさんに「お隣のI市に、良いと評判のリハビリ病院が
ありますので、そこに転院されては?」と、勧められた。なにしろ父ヨシオは、
まだ62歳(当時)という若さで、寝たきりになるにゃあ早すぎる。真剣にリハ
ビリに取り組めば、退院後の生活もぐんと違ってくるだろう。気の早い母ヤスコ
と私は、早速アポを取ってもらって、I市リハビリ病院の偵察に行くことに。

 家からは車で30分弱。思っていたより大きくて、新しく綺麗な病院だった。
アポを取った医師に会い、父ヨシオの病状を詳しく話す。
 私は結構ドキドキしていたのだ。S総合病院のリハビリの先生も、Mさんも
「I市リハビリ病院は、かなり厳しく指導をするらしい」と言っていた。

 「まだ若くて、社会復帰が必要な患者を優先するらしい」とか「一人で着替え
ができない程度の患者は、受け入れてくれないらしい」とか、なんだか恐ろしげ
な話ばかりで、それも全部『噂』なのだ。その噂は本当か、恐る恐る医師に訊ね
ると、大笑いされた。

 「そんなことは、ありませんよ。本人にやる気があれば、いくらでも手を貸し
ます。ほとんど動けない患者さんも、いらっしゃいますしね」
 そして父ヨシオは、一度本人の診断をした後、ベッドが空き次第、転院できる
ことになった。

 私と母はリハビリ室を見学に行って、その広さと明るさに圧倒された。
「すごい!こんなに沢山の人が、こんなに大きな部屋でリハビリに励んでいるな
んて!」身体・頭(作業)・言語・心理など、リハビリも専門的で多岐に渡り、
患者さんも若い人からお年寄り、ダンディーな外国人の紳士までいるのだ。

 当たり前のことだが、S総合病院の病棟には、軽い症状の方から、重病の方ま
で色んな患者さんがいる。どこが苦しいのか、一日中ウォ〜ウォ〜と唸っている
患者さんの声を聞くと、本当に悲しくなってくる。息をしているのかと疑うほど、
黙々と寝かされている人ばかりの大部屋もある。そんな陰鬱さを知っているだけ
に、このリハビリ室の活気は感動さえ覚えた。まるで天国だ。
「ここならきっと、お父さんもがんばってリハビリしてくれるよ!」

 病棟の方も見学させてもらう。自力で車椅子で動くことが基本なので、通路も
部屋もゆったり広々としている。食事も食堂に集まって、みんなで一緒に食べる
そうだ。乗せられやすい私と母ヤスコは、すっかりここが気に入ってしまった。

 しかし、実際父ヨシオが転院してみると、あの噂は本当だった。リハビリ専門
だけに、普通の病院のように寝かせておいてはくれないのだ。厳しい、しかし許
された者だけの、真のリハビリ道が待ち構えていた。

 朝起きて、着替えて顔を洗って歯を磨いて。基本は自分ひとりで。食堂に行く
のも自力で車椅子をこぐ。午前と午後に1時間ずつ理学療法(PT)と作業療法
(OT)のリハビリタイム。決められた時間割に沿って、自分でリハビリ室まで
行く。リハビリの無い時間も、なるべくベッドで横にならないよう指導されてい
る。食堂でおしゃべりしたり、ちょっと病院内を散歩したり。

 初めの頃は「疲れた」を連発していた父だったが、根がフレンドリーなので大
勢の友達もできた。その皆ががんばっているので、やる気も出てきたようだ。
なにしろ自分より10歳も20歳も年上のお婆ちゃんが、ヨタヨタながら歩いて
いるのだから、ここで負けては男がすたるぜ、父ヨシオ。

 このI市リハビリ病院で、私が今でも忘れられない光景がある。
 午後遅い時間に、皆が食堂に集まって歌を唄うOTの時間があった。たまたま
一人で父のお見舞いに行った私も、つき合って食堂の端の方で眺めていた。
 その日OTの先生が持ってきた、模造紙に書いてあった歌は『瀬戸の花嫁』。
夕陽を受けながら唄う患者さん達と、私たち家族。

 その内、ひとりの年輩の女性の患者さんが泣き出してしまった。そのすすり泣
きの声を聞いていると、もともと湿っぽい歌なだけに、皆、涙声になってしまう。
愛する伴侶や家族・自分のこれまでの人生・病気・これからの生活…。そんな事
柄が胸に迫り、誰しも堪えきれなかったのだろう。私もついつられて、目頭が熱
くなった。

 その時間が終わって部屋に戻り、「なんだかじ〜んとしちゃったねえ〜」と言
うと、父ヨシオは「ああ、あのFさんは、いつでもメソメソ泣いてるんだ」。
 ちぇっ!せっかく人が感動しているのに、冷めた目で見てるイヤな男だよ。
でも、このFさんとは退院してからも、外来の診察で会ったり、電話で話したり
結構仲良くしているのだ。もしかしたらあれは、父ヨシオの照れ隠しだったのか
もしれない…と、ふと気付く今日この頃。
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■□■…………………………… 今日の母ヤスコ …………………………■□■

 母ヤスコから、このコーナーの苦情が出ました。「あんたが間抜けな失敗談ば
っかり書くから、本当にそんな馬鹿なお母さんだと思われるじゃない!?」
 皆さん、おわかりかと思いますが、一応母ヤスコの名誉のために言っておきま
す。あれはあくまで読み物として、面白いエピソードを書いたのであって、普段
の母は、いたって真面目でちゃんとした人です。…これで、気が済んだかな?
 でもさ〜、あのエピソード達は作り話じゃなくて、実際に母ヤスコが巻き起こ
した物なのにねえ。その辺を忘れてらっしゃるみたい、ヤスコさんたら。
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■□■…………………………… 編 集 後 記 …………………………■□■

 右下の親不知を抜きました。近所の歯医者ではできないと言われ、大きな病院
でオペと相成りました。結構ダメージが大きく、新手のダイエットで良いじゃん
…などと言われてます。明日は抜糸。よぉ〜し、飲むぞ〜!!って、いいのか?

●今日の格言 『虫歯と頭は、放っておいても絶対良くならない』
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