□■□■□───────────────────────────────
■□■□■  
□■□■□ 【七緒のスチャラカ★介護日記】
■□■□■  
□■□■□──────────────── 2002.02.26 ── Vol.0017 ──

       左半身マヒとなった父ヨシオ。母ヤスコと長女・七緒が自宅での
       介護を決意した!お気楽3人家族の、手探り介護マガジンです。
──CONTENTS──────────────────────────────
       ●スチャラカ日記 『父が倒れた日』
       ●今日の母ヤスコ
       ●お知らせ
       ●編集後記
────────────────────────────────────
■□■……… スチャラカ日記 『父が倒れた日』 2月26日 ………■□■

 2000年6月17日の朝。
 両親の住む実家とは同じF市内のアパートで、義妹からの電話を受けた。
「父が心筋梗塞で倒れて、F市医療センターに運ばれた」と、母から連絡が入っ
たと言う。
 父は前年3月に定年退職し、自宅で悠々自適の生活を送っていた。

 すぐに医療センターに駆けつけると、弟と義妹、妹と義弟も子供達を預けて、
来てくれた。
 父は集中治療室へ運ばれ、治療を受けている。母に話を聞くと、早朝、2階の
部屋で寝ていた父が「おい、ちょっとおかしいんだ!来てくれ!」と呼んだと言
う。母が飛び起きて上がって行くと、父は布団の上で脂汗を流し、心臓を押さえ
て苦しんでいたらしい。急いで救急車を呼び、病院から私たち子供に連絡をした。

 控え室で待っていると、やがて医師がやってきて、詳しい説明をしてくれた。
しばらく様子を見るが、状況によっては、心臓を取り巻く血管の詰まった所を拡
げるために、バルーンを入れる。心臓の動きが低下したら、ペースメーカーを入
れる。そんな治療を施すとのことだった。幸い、父ヨシオは、そのどちらもしな
いで、なんとか持ち直したのだった。

 この時の医師の説明に、驚いた。簡単な説明図を描き、
「この詰まった血管の先には、血液が行きませんから、細胞が死んでいます。ど
んどん腐ってきています」

 なんですと?…死んでる?腐ってきている?ちょっとちょっと、そんなひどい
表現をしなくてもいいんじゃない?
 医師は、私たちがわかりやすいように、かみ砕いた表現をしたつもりかも知れ
ないが、かなりショッキングだ。「壊死を起こしています」とかなんとか、もう
少し他の言葉があるはずだ。ただでさえ神経質になっている患者の家族に、そん
な無神経ないいかたをする医師に、ちょっと腹を立てる。

 父はその後、数日して一般病棟に移り、冠動脈造影検査などを受け、7月7日
に退院した。さすがに改心したらしい。今まで何回みんなに説得されても聞かな
かったタバコを止め、お酒も控えるようになった。母も食事に気を遣うようにな
り、自宅で静かに療養生活を始めたのだった。

 ところが、そんな付け刃な健康志向も、長年の不摂生には効かなかったらしい。
今度は脳梗塞で倒れた。退院してたった3週間後の、7月31日だった。

 またもや早朝。心筋梗塞の後、父は用心のため、寝室を母の隣の部屋に移した。
ピタピタ何かを叩く音で、母は目が覚めたという。父は自分の左腕を叩き、
「なんだこれは。俺の腕じゃないぞ!」と騒いでいた。右脳に梗塞が起こり、左
腕左脚が動かなくなっていたのだった。

 救急車で前回と同じ医療センターへ。私たち子供もまたもや大集合。
 心筋梗塞の時も怖かったが、今回は脳梗塞。もうすでにマヒが明らかなので、
これからどうなってしまうのか、不安は広がるばかり。

 医師に脳の写真を見せてもらうと、父の右脳はほとんど全体が真っ白に映って
いる。梗塞が起きてしまった部分は、もう治すことはできない。さらに脳出血な
どが起これば、最悪の事態になってしまう、と言う。
「助かっても、良くて車椅子。寝たきりになってしまう可能性が高いでしょう」
みんな言葉も無かった。

 今にして思えば、2回とも梗塞が起こったときに、発見が早かったので助かっ
たのだ。梗塞は朝、目が覚めた直後に起こりやすいそうだが、母ヤスコが外出し
ている時だったら、もしくは父が助けを呼ぶ声を出せなかったら、もう終わって
いただろう。

 現在こうして、杖を使って歩くこともできるまでに、快復した父ヨシオを見る
と、本当に奇跡的だと思う。鼻からチューブを通され、色んな点滴をされ、苦し
そうに寝ていた父の手を握り「お父さん、なんとかがんばって!」と祈った自分
がウソのようだ。

 あの頃の気持ちを思い出せば、リハビリをちょっとさぼったくらいで、鬼のよ
うに怒ることはできないはずなのに。ああ、それなのに。人間とは愚かなものよ
のう…(しみじみ)

 母ヤスコが言う。
「お父さんのすごいところは、息もたえだえに救急車に運ばれる時にも『保険証
は持ったか?印鑑も。子供達の連絡先も忘れずに』なんて、気が付くことよね」

 う〜む。さすが父ヨシオ。この細かさは、並大抵じゃないぜ。
────────────────────────────────────

■□■…………………………… 今日の母ヤスコ …………………………■□■

 3月、4月と続けて甥の結婚式に出る母ヤスコ。毎日色んな服を引っ張り出し
ては「これにしようかしら」「あれはどう?」と、悩んでいる。
 「とか言いながら、どうせ新しく買うんでしょ?」と突っ込むと「もったいな
いから、ある服で間に合わせるわよ」と言う。そのくせ「やっぱり何だか形が古
いわよね〜」「これは何回も着てないんだけど、スカートがブカになったわ」な
どとブツクサ言っている。
 いいんじゃない?久しぶりのお祝い事だし、この所お母さんも色々我慢してが
んばってたんだから、スーツの一着くらい新調しても。これで買いなよ…と、お
小遣いをあげられなくて、ごめんね! 
────────────────────────────────────

■□■…………………………… 編 集 後 記 …………………………■□■

 会社勤めじゃなくなってからというもの、ちゃんとしたパンプスはめったに履
かない。もっぱらスニーカーだ。また今日も一足、一目惚れして買ってしまった。
「あんた、何足持ってるのよ?」と母にイヤミを言われ、数えてみると今日のを
入れて10足。バドミントン用とフィットネス用が2足。イメルダ七緒と呼んで
くださって、構わなくてよ。おほほ。

●今日の格言 『あと、よそ行き用の、草履も欲しいんだけど…』
====================================================
【本誌では、みなさんのご意見、ご感想、何でも大募集中!!】
 Mail to:nanao@abox9.so-net.ne.jp
====================================================
■登録/解除の方法
【七緒のスチャラカ★介護日記】は、下記よりいつでも登録/解除可能です。
 http://www17.u-page.so-net.ne.jp/kg7/nana0707
====================================================
■このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』 を利用して
 発行しています。http://www.mag2.com/ (マガジンID: 0000084318)
====================================================
■発行者:七 緒 nanao@abox9.so-net.ne.jp
■Copyright(C) nanao 2002.
 【七緒のスチャラカ★介護日記】は、転載・複写大歓迎ですが、できればご一
  報くださいね。
====================================================