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□■□■□ 【七緒のスチャラカ★介護日記】
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□■□■□──────────────── 2001.11.20 ── Vol.0010 ──

       左半身マヒとなった父ヨシオ。母ヤスコと長女・七緒が自宅での
       介護を決意した!お気楽3人家族の、手探り介護マガジンです。
──CONTENTS──────────────────────────────
       ●スチャラカ日記 『良いホテル・悪いホテル 後編』
       ●勝手にありがとうコーナー
       ●今日の母ヤスコ
       ●編集後記
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■□… スチャラカ日記 『良いホテル・悪いホテル』 11月20日 …□■

 まったく、ホテルMには、いっぱい喰わされた。
あの設備のどこがバリアフリーだと言うのか。よくよくホテルを探検してみたが、
エレベーターが完備だったことと、ロビーの段差が一部スロープになっていただ
けだと思う。エレベーターなんて、今時当たり前だし、エントランスやレストラ
ン入口の階段はどうしてくれるのか?バリアフリーへの認識の甘さに改めて驚い
た。ま、かく言う自分も、半年前までは考えてもいなかったんだけど。

 「あ〜あ、ホントにいい勉強させてもらったよねえ」と、帰宅してため息。
ホテルMでの貴重な体験を、いろんな人に話している内に、いい情報をゲット。
郵政省の『かんぽの宿』が、バリアフリー化を推進していて、施設もかなりきち
んとしているとのこと。うちは全員かんぽに加入しているし、これはいいかも。
なんたってお国がやっているんだから、ホテルMみたいな半分詐欺ってことは、
無いに違いない。

 でもでも。超疑り深くなっている私は、パンフレットを取り寄せ、指さし確認。
部屋、良し。トイレ、良し。レストラン、良し。早速父母に報告すると、すぐに
でも行きたい!と、大乗気。嫌なことはすぐ忘れる都合のいい性格・父ヨシオと
母ヤスコ。

 それじゃ、紅葉のきれいな時季に行くとするか。場所は、七緒が前から行きた
かった美術館のある諏訪湖で決まり。日にちの感覚が、いまひとつ曖昧になって
いる父ヨシオは、半月以上も前から「諏訪湖は明日だっけ?」と、トンチンカン
ながらも楽しみにしていた。

 かんぽの宿・諏訪湖は、障害者に完全対応の洋室が用意されていた。
入口は大きい引き戸で、床はもちろんフラット。ベッドがふたつ並び、その反対
側には小上がりの畳スペース。バスルームは広々していて、もちろん車椅子ごと
入れる。トイレ周りは手すりがこれでもかと付き、バスタブ周りにも手すりが。

 なによりびっくりしたのは、リフトで吊り下げて移動できるように、天井にレ
ールが付いていた事。片方のベッドから、トイレとお風呂までレールが走ってい
る。うう〜む、そこまでしてくれるか。でも、肝心のリフトというか、父ヨシオ
が乗るためのブランコは見当たらなかった。うちは別に使う必要はないので知ら
ん顔していたが、使う場合は用意してくれるのかもしれない。

 トイレは本当にありがたかったが、お風呂は今回も無理そう。手すりが父ヨシ
オと逆なのだ。部屋の構造上、左手側にしか手すりが付いていないので、右手が
使える父には難しい。なにしろ、父ヨシオ仕様になっている家のお風呂でも、慣
れるまで大変だったのだ。介助する母も私も不安だし、滑って怪我でもしたら困
る。そこまでして温泉でもない部屋風呂に入ることないさ、と、あきらめた。

 もうひとつ、欲を言えばベッド。素敵なベッドカバーがかかっている大きめの
ベッド。残念ながら、そんなに素敵じゃなくていいのよ。左右どちらにでも付け
られる手すり兼柵のある、ごく普通な医療用ベッドで。父ヨシオにはその方があ
りがたいの。でも、せっかく旅に出てホテルに泊まっているんだから…というロ
マンティストさんには、このゴージャス感が欲しいのよね、きっと。

 しかしまあ、全体的には不満という不満は無い。ホテルMを見ているだけに、
あまりの充実ぶりに、目頭が熱くなった(←うそ)。レストランも同じフロアで
便利、食事もおいしかった。公共施設なだけに、黒服のマネージャーも、着物の
仲居さんもいないが、別段不自由もなく、いっそさっぱりしてすがすがしい。

 今回の教訓。ひとくちに「バリアフリー」と謳っている施設でも、その内容は
実に様々だ。勝手に自分達の都合のいいように期待しないで、できる限り執拗に
情報収集すること。そして準備を怠らず、その上で不都合が出たときには、臨機
応変に。まだまだ福祉発展途上の日本。もっともっとみんなが、住みよく暮らし
やすい本当のバリアフリーになるといいなあ。

 な〜んちゃって、私ったら、いつになく道徳的になってしまったわ。ろくに税
金も払ってないくせに。父ヨシオの愉快な言動で楽しませてもらって、そのあか
つきに本でも出せたら、その印税をバリアフリー推進のためにお役立てしましょ
う!…なんて、あてのないお約束は、ダメかしらねえ、お父さん?
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■□■…………………… 勝手にありがとうコーナー ……………………■□■

 『スチャ介』VOL.0008を受けて、飛行機での車椅子の話をしてくださったNさ
ん、ありがとうございました。実際の体験談、大変為になりました。ただ、うち
はファーストクラスは到底無理ですので、少々扱いは違ってくるかと思うんです
が…(苦笑)また色々お話聞かせてくださいね。
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■□■………………………… 今日の母ヤスコ ……………………………■□■

 父ヨシオが、朝からブスッとしている。「どうしたの?元気ないじゃん」とお
ちゃらかしても、無言。やな感じ…。黙々と食事していると、テレビで漁港から
中継している。「閖上(ゆりあげ)で食べた揚げたての薩摩揚げ、おいしかった
わね〜」と、母ヤスコ。「そうそう、やっぱり揚げたては違うよ!食べたことあ
る?」「今度七緒も閖上に連れてってあげるね」と、急にノリノリな父。
 
 父が歯磨きしている間に「さっきまであんなに元気なかったのに」と言うと、
「お父さんをのせるのは、生まれ故郷の話が一番よ」と、母ヤスコは不敵に笑う。
そうか〜、さすが母!父の操縦方法を心得てるのね〜。でも、あまりにも簡単に
のる父も、単純と言えば単純だわ。
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■□■………………………… 編 集 後 記 ……………………………■□■

 そろそろ大掃除の準備です。明日はキッチンと父の部屋、ワックス掛けの予定。
父ヨシオが引退したので、うちの男仕事は七緒の役目。電気工事に力仕事、電池
交換までなんでも来い!でもこの間弟に、仕事の甘さを指摘されてしまった。
しょ〜がないじゃ〜ん。ペンチとレンチの区別がつくだけ上等だよ?

●今日の格言 『亀の甲より年の功』(最近、使用頻度が高いぞ…)
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