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□■□■□ 【七緒のスチャラカ★介護日記】
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□■□■□────────────── 2001.10.16 ── Vol.0007 ─

左半身マヒとなった父ヨシオ。母ヤスコと長女・七緒が自宅での
介護を決意した!お気楽3人家族の、手探り介護マガジンです。

──CONTENTS───────────────────────────── ────────────────────────────────────

■□■……スチャラカ日記 『金儲け大作戦』 10月15日……■□■

 父ヨシオは、この頃よく、なにかしら金儲けをしようと企んでいる。
 中でも際だっている話を3つ。

 ひとつめは、『ザクロ石の話』。
 ある日空からザクロ石が降ってきた。父が屋根に登って、雨といを調べてみると、小指の先ほどのザクロ石が、3~4個落ちていた。それを御徒町の宝石屋に持って行って、いくらになるか確かめたいが、どこにしまったかわからなくなった、と言う。

 もちろんそんな宝石(?)が空から降ってくる訳がないが、父は脳梗塞で入院中から急にその話をするようになり、お見舞いに訪れる人達に、同じ話を繰り返していた。
 訳がわからないので、皆曖昧に頷いて、やり過ごしていた。その内、 あまりにしつこく「あのザクロ石を早く探せ」とうるさくなったので、突っ込んでやりたくなった。

「お父さん、ザクロ石って、そもそも何よ?」
「俺がそう名付けた。白くて、石の中にザクロみたいに赤いのが入ってるんだ」
「ザクロ石って、ガーネットの事じゃなかったっけ?」
「知らん。俺のは、空から降ってきたんだ」
「どうしてうちの屋根にだけ降ってきたの?」
「うちだけじゃないよ。床屋の屋根にも落ちてきた筈だから、調べて見ろって、 床屋のオヤジにも言ったんだ」
「うちの屋根に落ちてきたのは、どうしてわかったの?」
「天のお告げだ」

はい~~??天のお告げですか?はあ、そうですか。こういうのは、何て言うんだろうか。妄想?不思議だね~。

 ふたつめは、『八木が谷古代遺跡の話』。
 最近、古代遺跡ねつ造の事件があったが、そのニュースを聞いて、しばらく忘れていた話をまた思い出した父ヨシオ。

 八木が谷(ヨシオファミリーの住む隣町)に、古代遺跡が眠っていると言う。 その事はまだ誰も知らないので、荒らされない内にきちんと発掘して、佐倉の歴史民俗博物館か国会議事堂などに引き取ってもらう、と、言い張る。

「ねつ造なんかじゃなくて、貴重な遺跡だから、いい値段がつくはずだ」と。 はあ。そんな遺跡があったら、もうとっくに発掘されてると思うんだけどさ。

「原人も発見される筈だよ」
「八木が谷原人?それって、首が短くて手が長くて、ついでに脚は短くて、お父さんみたいな体型なんじゃないの?」と、母ヤスコは大笑い。

 父ヨシオいわく、遺跡の模型はミツオ叔父に作らせて、展示のパネル等は七緒がデザインすれば、お国を相手に金儲けできるそうだ。だから早く話を進めろと、 七緒をせっつく。

 父は40年にわたり地方公務員を勤め上げた人だ。どちらかと言えば、あまり仕事熱心には見えなかったが、病に倒れてからというもの、急に儲け話をでっち上げるようになった。それも、その場しのぎの話ではなく、毎回同じ話をする。

 「お父さん、どうして身体がきかなくなった今になって、金儲けしようとするの?前なら、いくらでも動けて、本当に儲けられたかもしれないのに」と、母。
「今は暇だから考えられるんだよ」と、父。
どうやら、自分の身体が不自由になって、働けなくなったので、なんとかお金を生み出そうと考えているらしい。それが高じて、妄想が生まれてしまったのか?

 みっつめは、一番現実味があるけど、馬鹿馬鹿しい『ダンカンの話』。  ある日、またリハビリに嫌気がさした父は、「もうどうなってもいい。早く葬ってくれ」などと言い出した。またか…。なんとかギャフンと言わせたい。
「私の部屋に、うってつけの箱があるよ。書類ケースを買った時に入ってた長細い段ボール。どうせ燃やしちゃうんだし、ちょうどいいお棺になるじゃん」 はっ…!自分で言っててひらめいた!これは、いいかもしんない!?

「ねえ、ナイスアイディアだよ!段ボール棺桶。略して『ダンカン』!!
どうせ燃やしちゃうのに、桐なんて使わないでさ。再生紙で段ボール作ればエコロジ ーだよ。いろんな色も付けられるし、いっそのことポケモンやキティちゃん付け て、『キャラ・ダンカン』なんて、売れるかもよ??」

「お、それはいいね。早速、意匠登録して、会社作れ!資本金は俺が出してやりたいけど、お財布持ってないしな…」
「段ボールには、強度を持たせなくちゃね。担いだ時に、底が抜けちゃ大変だもんね。でも、営業が難しいかもね。お棺の売り込みなんて、ねえ…」

 病人のくせに、棺桶でひと儲けしようとは…。どこまでも間抜けなヨシオファミリーの、馬鹿な金儲け話でした。

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■□■……………………… 今日の母ヤスコ …………………………■□■

 去年買った、玉虫色っぽいデニムシャツ。今年は着る気がないらしく、七緒に「これ、着てもいいわよ」と言う。でもさ~、肩パッド入ってるし、玉虫色だし。 なんか違うんだよね。
 七緒が今日買ったフェイクレザーのベージュのジャケット。「お母さんもよかったら着てもいいよ」
 母ヤスコが早速羽織ってみるが、やっぱりなんか違う。ウエストがシェイプされてるからかな?う~ん。どこがどうという訳じゃないが、なんか微妙に違う。 アパレル業界の罠かな。世の中、謎が多いね。

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■□■……………………… 編 集 後 記 …………………………■□■

 七緒の事情により、10月23日と30日の【七緒のスチャラカ★介護日記】は、お休みとさせていただきます。ごめんなさい!
次回は、11月6日になります。また、元気でお目にかかりましょう。秋のヨシオファミリーは、イベント計 画満載で、ウキウキです。遊び疲れが、今から心配だあ~。

●今日の格言 『楽あれば苦あり。遊びの後に締め切りあり』

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